「紙やExcelで管理していて情報が散らばっている」
「部署ごとに管理方法が違い、必要な情報がすぐ見つからない」
そんな課題を抱える企業は少なくありません。こうした課題の解決策として注目されているのが、業務改善プラットフォーム「kintone」です。
人手不足や働き方の多様化が進む中、企業には限られたリソースで業務効率を高め、生産性を向上させることが求められています。そのためには、情報を一元管理し、業務を見える化できる仕組みづくりが欠かせません。
顧客管理や案件管理、申請業務など、さまざまな業務を自社に合わせてデジタル化できるため、多くの企業で業務改善やDX推進に活用されています。
この記事では企業がkintoneを導入するメリットや、業務改善につながるポイントをご紹介します。
業務改善プラットフォーム「kintone」とは?
kintone(キントーン)という名前はよく耳にしても、なにができるかは意外とイメージできない方も多いのではないでしょうか。
kintoneとは、業務で使用するデータや情報を一元管理し、自社の業務に合わせたアプリをプログラミングなし、または最小限の開発で作成できるクラウド型の業務改善プラットフォームです。
近年、多くの企業でDX(デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術を活用して業務やビジネスを変革する取り組み)が進められています。
しかし、「紙の書類が多い」「Excelファイルが部署ごとに散らばっている」「情報共有がメール中心で管理が煩雑」といった課題を抱える企業は少なくありません。
こうした課題を解決する手段として注目されているのがkintoneです。専門的なシステム開発を行わなくても、自社の業務に合わせた管理システムを作成できるため、多くの企業が業務改善ツールとして導入しています。
企業が抱える業務上の課題をkintoneで解決
多くの企業では、日々の業務の中でさまざまな情報を扱っています。例えば営業部では顧客情報、総務では備品管理、人事では社員情報、経理では申請書類など、多くのデータを管理しています。
しかし、管理方法が統一されていない企業では次のような問題が発生しやすくなります。
- Excelファイルが複数存在し、最新版が分からない
- メールでのやり取りが増え、情報を探すのに時間がかかる
- 紙の申請書が多く、承認に時間がかかる
- 担当者しか内容を把握していない
- 部署ごとに情報が分断されている
このような状態では、情報共有に時間がかかるだけでなく、ミスや業務の属人化(特定の担当者しか業務内容を把握していない状態)も起こりやすくなります。
DX推進への対応
近年は人手不足や働き方改革への対応もあり、多くの企業で業務のデジタル化が求められています。しかし、大規模な基幹システムを導入するには、多額の費用や長い開発期間が必要です。
その点、kintoneは必要な業務から少しずつ改善を始められるため、中小企業から大企業まで幅広く活用されています。
また、クラウドサービスであるため、インターネット環境があればオフィスだけでなく外出先や在宅勤務でも利用できる点も普及が進んでいる理由の一つです。
kintoneの仕組み・特徴
ノーコード・ローコードで業務アプリを作成できる
kintoneの最大の特徴は、自社専用の業務アプリを比較的簡単に作成できることです。ここでいう「アプリ」とは、スマートフォンアプリではなく、業務管理用のシステムを意味します。
例えば、
- 顧客管理
- 案件管理
- 問い合わせ管理
- 日報管理
- 在庫管理
- 備品管理
- 契約管理
- 社員情報管理
これらのアプリを用途に応じて作成できます。入力項目はドラッグ&ドロップで配置できるため、専門的なプログラミング知識がなくてもアプリを作成しやすい点が特徴です。
kintoneは、ノーコードでのアプリ作成に加え、必要に応じてローコードでの開発にも対応できます。顧客管理アプリや申請管理アプリはノーコードで作成でき、JavaScriptによる機能追加や外部システムとの連携など、より高度な要件にも対応可能です。
最初はノーコードで手軽に業務改善を始め、業務の拡大や要件の変化に合わせてローコードによるカスタマイズを行うといった段階的な活用ができます。
データを一元管理できる
Excelや紙で管理していると、同じ情報が複数存在してしまうことがあります。kintoneでは情報を一つの場所で管理できるため、常に最新のデータを確認できます。
例えば営業担当が顧客情報を更新すると、事務担当や管理職も同じ情報を確認できます。
「どれが最新版なのか分からない」という状況を減らせることが大きな特徴です。
コミュニケーション機能がある
kintoneにはコメント機能があり、案件や申請ごとに担当者同士がやり取りできます。メールのように大量の送受信を行う必要がなく、「どの案件について話しているのか」が分かりやすくなります。
また、変更履歴も残るため、過去の対応内容を確認しやすい点も特徴です。
他サービスと連携しやすい
kintoneは他のクラウドサービスや業務システムと連携できる場合があります。
例えば、
- 会計ソフト
- 電子契約サービス
- チャットツール
- グループウェア
- Webフォーム
などと組み合わせることで、入力作業を減らしたり、データの二重管理を防いだりできます。
kintoneを活用するメリット
業務効率化につながる
最も大きなメリットは業務効率化です。
例えば紙の申請書を使用している企業では、
- 紙を印刷
- 記入
- 上司へ提出
- 承認
- 保管
という流れになります。
kintoneでは申請から承認までオンラインで完結できるため、書類の受け渡しや保管の手間を削減できます。また、検索機能によって必要な情報をすぐに探せるため、日常業務の時間短縮にもつながります。
情報共有がスムーズになる
部署間で情報共有が円滑になることもメリットです。
例えば営業担当が訪問内容を入力すると、サポート部門や管理職もすぐに内容を確認できます。
これにより、
- 引き継ぎ漏れ
- 情報伝達ミス
- 二重対応
などを防ぎやすくなります。
コスト削減につながる
紙の印刷や保管スペース、郵送費などの削減が期待できます。また、既存の複数システムを整理できれば、管理コストや運用負担の軽減につながる場合もあります。
ただし、導入費用や運用費用は発生するため、自社の業務内容や利用人数を踏まえて費用対効果を検討することが大切です。
生産性向上が期待できる
業務の無駄な作業が減ることで、本来注力すべき仕事に時間を使いやすくなります。例えば営業担当であれば資料作成や情報整理ではなく、顧客への提案活動に時間を充てられるようになります。
結果として、企業全体の生産性向上につながる可能性があります。
属人化を防ぎやすい
担当者だけが知っている情報をシステム上で共有できるため、担当者の異動や退職があっても業務を引き継ぎやすくなります。業務の標準化にも役立つ点は、多くの企業で評価されているポイントです。
kintoneが活用される場面
営業部門
営業活動では、
- 顧客管理
- 商談履歴
- 案件管理
- 見積管理
などをまとめて管理できます。
例えば、外出先からスマートフォンやタブレットで商談内容を入力すれば、帰社を待たずに社内へ共有できます。
総務部門
総務では、
- 備品管理
- 契約書管理
- 社内申請
- 設備予約
などに利用されています。
紙で管理していた申請を電子化することで、承認状況も確認しやすくなります。
人事部門
人事では、
- 社員情報
- 面接管理
- 研修履歴
- 人事評価
などの管理に活用されています。
必要な情報を検索しやすくなり、書類管理の負担軽減にもつながります。
製造業
製造業では、
- 品質管理
- 設備点検
- 作業報告
- 不具合管理
などの用途で活用されています。
現場から直接入力できるため、情報共有のスピード向上が期待できます。
医療・介護・福祉
医療・介護・福祉分野では、
- 利用者情報
- 訪問記録
- 業務報告
- スケジュール管理
などに利用されることがあります。
紙の記録を減らし、必要な情報を関係者間で共有しやすくなります。
導入前に知っておきたいポイント
kintoneは柔軟性の高いツールですが、導入すれば自動的に業務改善が実現するわけではありません。
まずは現在の業務を整理し、「どこに課題があるのか」「何を改善したいのか」を明確にすることが重要です。また、一度にすべての業務を置き換えるのではなく、日報管理や問い合わせ管理など比較的導入しやすい業務から始めることで、現場への負担を抑えながら運用を定着させやすくなります。
さらに、運用ルールを決めて継続的に見直すことも欠かせません。入力方法や権限設定、データ更新のルールが曖昧なままでは、せっかく導入しても十分な効果を得られない可能性があります。
関連する用語
DX(デジタルトランスフォーメーション)
デジタル技術を活用して業務やビジネスモデルを改善・変革する取り組みです。
ノーコード
プログラミングを行わずにシステムやアプリを作成する開発手法です。
ローコード
最小限のプログラミングでシステムを開発する方法です。
クラウドサービス
インターネット経由で利用できるサービスの総称です。ソフトウェアを自社でインストール・管理する必要が少ない点が特徴です。
ワークフロー
申請・承認・決裁など、業務の流れをシステム上で管理する仕組みを指します。
「kintoneを導入するメリットとは?kintoneが企業の業務改善を実現できる理由」まとめ
kintoneとは、自社の業務に合わせたアプリを作成し、顧客情報や申請書、案件管理などのデータを一元管理できるクラウド型の業務改善プラットフォームです。ノーコード・ローコードに対応しており、専門的なプログラミング知識がなくても業務アプリを作成・運用しやすい点が特徴です。
企業では、紙やExcelによる管理、情報共有の遅れ、業務の属人化などが課題となることがあります。kintoneを活用することで、情報を一か所に集約し、部署間でスムーズに共有できるため、業務効率化や生産性向上、コスト削減などの効果が期待できます。また、営業や総務、人事、製造業など幅広い業務で活用されており、自社の業務に合わせて柔軟にカスタマイズできることも大きなメリットです。
一方で、導入しただけで業務改善が実現するわけではありません。現在の業務課題を整理し、改善したい業務から段階的に導入・運用することが、効果を最大限に引き出すポイントです。
kintoneの意味やメリットを正しく理解し、自社の業務で「どのような課題を解決したいのか」を明確にすることで、より効果的な業務改善やDX推進につなげられるでしょう。
